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製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX) 3つの重要なポイント

製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX) 3つの重要なポイント
目次

1人1台携帯電話を持つことに驚いていた時代から、今では、携帯電話にカメラが付いていること、画面1つで操作ができるスマートフォンを使用することが、すっかり当たり前の時代になりました。

驚くほど速いスピードで技術革新が進んでいる中で、様々な業界業種で「デジタルトランスフォーメーション」に注目が集まっています。

ものづくりの現場では「モノが売れない時代の到来」「顧客ニーズの多様化」「人手不足」「コロナ禍」など様々な環境変化へ柔軟な対応が必要です。そのためには、製造業のデジタル化によって、変化に強いものづくり体制を構築する「製造業のデジタルトランスフォーメーション」が欠かせません。

この記事では、製造業のデジタルトランスフォーメーションを進める際に、ポイントとなる「目的とゴールの明確化」「スモールスタート」「見える化と対処の組み合わせ」についてご説明します。

1.目的とゴールの明確化

製造業のデジタルトランスフォーメーションを進める際は、目的とゴールの明確化が必要です。そこで、目的やゴールが不明確な場合の「よくある失敗」を2つご紹介します。

よくある失敗1:目的やゴールが不明確なまま進めたIoT化の失敗

「デジタルトランスフォーメーション」に注目が集まる少し前、モノとモノが繋がるIoTに期待が集まりました。

例えば、これまで改善活動やインダストリアルエンジニアリング(=IE)で、手動で測定してきた稼働率や良品率のデータ測定。また、光切断方式によるプロファイル測定や非接触の温度計・水分計など、これまで測れなかったデータの取得。

データを集めれば、AIを活用して何かができそうだという漠然とした期待から、様々なデータを収集したものの、なかなか思うような成果が出なかったという失敗。

大なり小なり、このような経験をされている方は多いのではないでしょうか?

よくある失敗2:他社の事例通りには効果が出ない

また、デジタルトランスフォーメーションを進める際には、必ずと言って良いほど他社の事例を参考にすると思います。

しかし、日本の製造業は、自社独自のシステムや業務プロセスを大切にしていることが多く、他社の事例通り自社で効果が出るのかを見抜くことは非常に難しいです。

したがって、他社の事例は参考にしつつも、自社でデジタルトランスフォーメーションを進める目的やゴールは何かを明確にすることが大切です。

2.スモールスタート

製造現場のデジタルトランスフォーメーションを進めるには、まずは小さく始めてみる「スモールスタート」がおすすめです。

デジタルトランスフォーメーションを進める際の利害関係者は、企業の上層部やIT関連の部署、デジタル化の恩恵を受ける人、現場で作業のやり方に変化を強いられる人など、多数います。

そして、部分最適ではなく、企業全体としてデジタルトランスフォーメーションを成功させるためにも、様々な利害関係者とのコミュニケーションが欠かせません。

様々な利害関係者の納得を得て、デジタルトランスフォーメーションを成功させるには、

まずスモールスタートで、少数の設備や1つのラインから、ツール導入を進めることで、分かりやすい投資対効果を示すことが大切ではないでしょうか?

3.見える化と対処の組み合わせ

製造業のデジタルトランスフォーメーションで「目的とゴールの設定」をして、製造現場のデータ収集、見える化に取組んだとしても、データを、その後の対処に活用しなければ、意味がありません。

例えば、「お腹周りのお肉を落としたい」という目的のために、ウエストを測り、現状を見える化することは大切ですが、その後「食習慣改善」や「運動習慣」などの対処をしなければ意味がないのと同じですね。

製造現場のデジタルトランスフォーメーションも、「QCD維持改善」という目的のために、稼働率や良品率などを測ることが大切ですが、その後「プロセス改善」や「自動化、省人化」などの対処もセットで行うことが重要です。




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